喫煙姉ちゃんの煙

寺田鳥五郎

2008年09月15日 16:46

撮影は、天候に左右されます。
雨だと思うような写真が撮れないことが多いんですが、
快晴のときは、影が邪魔になることがあります。

数日前、駅前の彫刻を撮影しようとしたら、
像に電線の影がくっきりと出ている。
太陽が雲に隠れるのを待つしかないと思ったんですが
風が強い割には、太陽が隠れそうな雲が
ぜんぜん流れてきそうにない。

でも、待つことにしました。
後日に回すと、次はいつ動けるか分かりません。
それなら今の30分を利用したほうが、成果はあがります。

待っていると、1組の学生風のカップルが来ました。
どうやら彼女を駅まで送ってきたようです。
電車の到着まで時間があるようで、二人は缶コーヒーを飲みながら、
タバコを吸って、おしゃべりを始めました。

屋外ですが灰皿の設置はなく、駅の敷地内(公共スペース)なので、
喫煙か禁煙か微妙なところ。

運悪く、タバコの煙はモロにボクのほうへと流れてきました。
うっとうしいと移動しようとしたとき、日差しが急に弱まったんです。

空を見ると、雲が太陽にかかろうとしている。
慌ててカメラを構えて撮影しようとしたら、
タバコの灰がこちらに飛んできたんです。

「ちょっと、灰、灰!」
と思わず、声をあげてしまいました。

男性は申し訳ないという感じで頭を下げました。
ところが女性は、「文句あんのか」とでも言い出しそうな表情で
ボクを睨みつけてくるじゃないですか。

ちょっと言うたろかと思いましたが、
こんなところで姉ちゃん説教しても、
気分が悪くなるだけ。

タイミングよく、電車の到着を予告するアナウンスが流れ、
姉ちゃんは吸いかけのタバコを彼氏に渡すと、そのまま改札を通っていきました。

あー、こわ。
でも、吸殻を投げ捨てなかったのは褒めてあげたいです。